「なり」で終わる俳句
「なり」で終わるのも俳句っぽくていいですよね。
俳句で「なり」の使い方
「なり」には、助動詞と形容動詞としての意味があります。
助動詞としての意味
①ようだ。らしい。そうだ。
②である。だ。
形容動詞としての意味
〜な状態にある
語尾が「に」の副詞が動詞「あり」と結合したもの。「にあり」。
「なり」で終わる俳句
崖急に梅ことごとく斜なり/正岡子規
枯れ果ててゆくも四温の最中なり/大場佳子
つくつくぼーしつくつくぼーしばかりなり/正岡子規
産声の途方に暮れていたるなり/池田澄子
子が居ねば一日寒き畳なり/臼田亜浪
愛されずして沖遠く泳ぐなり/藤田湘子
夏の少女が生態系を乱すなり/大牧広
強情を以て今年を終るなり/藤田湘子
秋高し仏頂面も俳諧なり/金子兜太
麦踏みの後ろ手解けば了るなり/田川飛旅子
春の野に妻と居ることふしぎなり/今井杏太郎
桐咲くやあっと云う間の晩年なり/田川飛旅子
鷹のつらきびしく老いて哀れなり/村上鬼城
勿忘草わかものの墓標ばかりなり/石田波郷
父のごとき夏雲立てり津山なり/西東三鬼
まつしぐら炉にとび込みし如くなり/高浜虚子
たとふれば独楽のはぢける如くなり/高浜虚子
火も水も迸り年新たなり/小野恵美子
裏がへる亀思ふべし鳴けるなり/石川桂郎