夫婦を題材にした短歌を集めました。
長年連れ添っていることを感じさせる安心感や、長く一緒にいても仲の良いことを感じさせるものなど、ユニークな短歌たちです。
夫婦を題材にした短歌
女房のコブラツイスト凄きかな戯れといへ悲鳴ぞ出づる/島田修三
「夫婦で何してんねん」って感じですよね。
じゃれてコブラツイストするなんて仲良いな~と思います。
朝からの夫の放屁におどろかず秋の窓辺にコーヒーを飲む/小島ゆかり
熟練の達人の域に達した夫婦関係のように思えます。
屁をこいた夫は笑かすつもりだったのか、或いはそれが常態化しているのか。
いずれにせよ無視されているのがおもしろいです。
一歳の子のはなくそをリレーする四十二歳(しじふにさい)の夫婦(めをと)の小指/大松達知
片方が子を抱っこしているんでしょうか。鼻くそに気づき、とってあげる。でも抱っこしているので、その鼻くそをパートナーに渡して、パートナーがそれをティッシュか何かに包んで捨てる。
そんな感じでしょうか。
ゴルフボールもテニスボールも持つてきて使はず終はる妻の分娩/大松達知
テニスボールで肛門を押さえる、みたいなの聞いたことあります。
二人称<たつちやん>いつまでつづくのか八十路の妻の<たつちやん>聞きたし/大松達知
これまでもずーっと<たつちゃん>と呼ばれていたんでしょう。若い時からずーっと。
ふと気づいてみれば割と年をとった今でも<たつちゃん>って呼ばれているなと。
エモいです。
どちらからともなく妥協成立し夫婦が饂飩啜りはじめつ/石田比呂志
これは客観的に見たある夫婦の光景ですね。
縄跳びを教へんと子等を集め来て最も高く跳びをり妻が/奥村晃作
自分の妻が誰よりも高く跳んでいるのを、ちょっと遠目から見ている様子が想像できておもしろかったです。
さびしがり机のそばに寝てしまふ妻に今宵も蚊帳つりてやる/近藤芳美