『劇場』はお笑いコンビ・ピースの又吉直樹2作目の小説。
前作『火花』は芥川賞を受賞し、何より実際に読んでめちゃくちゃおもしろかった。
→ さすが又吉。『火花』はつまらなくない、どころかむちゃくちゃおもしろい
2作目である『劇場』もおもしろいに違いない。読んでみると期待を上回るおもしろさだった。前作『火花』よりもエンタメ的な要素が多く、ライトで読みやすい。
『劇場』の内容・登場人物
『劇場』は恋人同士の話だ。
気難しく神経質な主人公は又吉自身を、明るく献身的な恋人・沙希は『第2図書係補佐』の「杳子・妻隠」のエピソードで登場した又吉の恋人を彷彿とさせる。
他にも又吉がテレビなどで披露していたエピソードや、『第2図書係補佐』や『東京百景』などの著書で書かれていたエピソードが盛り込まれているので、又吉ファンである僕はそういったものを見つけるも嬉しかった。
妻が泣いた『劇場』僕がとてつもなく泣きかけた『劇場』
妻が先に読み、「泣いた」と言った。
僕も読みながら、これは泣きそうだなと思った。
最後どうなるかを妻から聞かされ知ってしまっていたので、これが最後ああなってしまうのかと思うと余計に泣いてしまいそうだった。ちょっと自分の境遇とも重ねてしまったりして。
が、結局泣かなかった。最後どうなるのか知っていたし、泣きそうだ泣きそうだと思いすぎたせいだと思う。
でも、とてつもなく泣きかけた。