短歌入門におすすめの本

短歌

短歌入門におすすめの本

短歌入門におすすめの本を紹介しています。
たくさんの短歌が載っているオムニバス本と、個人の歌集から読みやすいものを詳細させてもらいました。

短歌のオムニバス本

いろいろな歌人の短歌が載っている本。
作風やモチーフ・切り口もさまざまな短歌をたくさん読むことができます。
ここから好きな歌人を見つけてみるのもいいでしょう。

僕の短歌ノート

歌人の穂村弘が、近現代のいい短歌をあつめたもの。
いろいろなテーマで分類され、おもしろい短歌がいっぱいあります。

こんな短歌が載っています

銀杏を食べて鼻血が出ましたかああ出たねと智恵子さんは言う/野寺夕子

数学のつもりになりて考えしに五目並べに勝ちにけるかも/斎藤茂吉

ハブられたイケてるやつがワンランク下の僕らと弁当食べる/うえたに

現代の短歌

こちらも近現代?でしょうか。
斎藤茂吉から現在も活躍する若手(発刊当時)歌人の短歌をあつめたものです。

歌人ごとにいくつかの短歌を紹介するスタイルです。

僕は、奥村晃作、石田比呂志、浜田康敬、山崎方代といったお気に入りの歌人を見つけました。

こんな短歌が載っています

酒のみてひとりしがなく食うししゃも尻から食われて痛いかししゃも/石田比呂志

ボールペンはミツビシがよくミツビシのボールペン買ひに文具店に行く/奥村晃作

雨宿りせんとてのれん分ける手がその雨筋の二三本も分く/浜田康敬

個人の歌集

ゆりかごのうた/大松達知

コスモスという短歌結社に所属しておられる大松達知の歌集。
NHK短歌の選者も務められていました。
ユーモアがあり、哀愁があり、ほどよく力の抜けた短歌を詠む方です。

この『ゆりかごのうた』は、自身に子どもが生まれたときの歌が多いです。

妻に見せたら、短歌にちょっと興味でた、と言っていました。

こんな短歌が載っています

おまへを揺らしながらおまへの歌を作るおまへにひとりだけの男親

くびすぢに発疹ぽつぽつがありケイタイで写せばこんなところにも黒子

いまはまだsadの他の語彙のなくsadと書けりその母の死を

渡辺のわたし/斉藤斎藤

独特でユニークな短歌をつくることでもよく知られている歌人です。
テレビ番組『マツコ&有吉の怒り新党』でもその斬新な短歌が取り上げられていました。

新3大・斉藤斎藤の「新感覚な短歌」(マツコ&有吉怒り新党 2015/06/03 OA)ダイジェスト

こんな短歌が載っています

ガム味のガムを噛んでる音により自己紹介とさせていただく

ぼくはただあなたになりたいだけなのにふたりならんで映画を見てる

あなたの匂いあなたの鼻でかいでみる慣れているから匂いはしない

一握の砂・悲しき玩具/石川啄木

国語の教科書にも載っている日本でいちばん有名な歌人ではないでしょうか。

働けど働けどなほわがくらし楽にならざりぢつと手を見る

という短歌はあまりにも有名だと思います。
が、石川啄木にはもっと魅力的な短歌がたくさんあります。

日常の些細な感情のゆれや、そんなに何でもないことを取り上げるのか、というもの。
そういった石川啄木の短歌を見て、短歌とは、うまいこと言う、きれいなことを言うばっかりの芸術ではないと知りました。

こんな短歌が載っています

眼閉づれど 心にうかぶ何もなし。さびしくもまた 眼をあけるかな

鏡とり能ふかぎりのさまざまの顔をしてみぬ泣き飽きし時

旅を思ふ夫の心!叱り、泣く、妻子の心!朝の食卓!

サラダ記念日/俵万智

石川啄木とならんで日本でいちばん有名な歌人ではないでしょうか。

この味がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日

という短歌はあまりにも有名でしょう。
国語でも習いましたが、国語の先生がこの短歌が登場したときのセンセーショナルさを熱弁していたことを思い出します。

もう全部の短歌が完成されてできあがっている感じです。

こんな短歌が載っています

大きければいよいよ豊かなる気分東急ハンズの買物袋

思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ

プーさんの鼻/俵万智

『サラダ記念日』の俵万智の歌集。
妊娠、出産のことが多く詠まれています。

こんな短歌が載っています

読みやすく覚えやすくて感じよく平凡すぎず非凡すぎぬ名

一人遊びしつつ時おり我を見るいつでもいるよ大丈夫だよ

祖母と母いさかう夜の食卓に子は近づかずひとり遊びす

*

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