今週は夏目漱石の『明暗』を五十四〜六十八まで読みました。
登場人物
- 津田…男性。痔の手術で入院
- お延…津田の妻
- 岡本…お延の叔父
- 叔母…岡本の妻。お延の叔母
- 継子…岡本の娘。お延の従姉妹
- 吉川…津田の雇い主
- 吉川夫人…吉川の妻
- 三好…吉川が連れてきた男
あらすじ
津田の痔の手術のあと、お延は岡本らと芝居を見に行った。
そこでは吉川らとの食事会がセッティングされていた。
芝居はそこそこに、岡本・叔母・継子・お延と、吉川・吉川夫人・三好というメンバーで食事会が開催された。
お延は、夫の雇い主の妻という吉川夫人との微妙な関係性や、自身の振る舞い方についてモヤモヤを抱えて食事会を終えた。
翌日、入院している津田の見舞いには行かず、お延は岡本へ。
昨夜の食事会になぜ自分が同席しなければならなかったのかを明らかにしたかったお延は、それが三好と継子の見合いであり、継子が同席を願ったと知る。
お延の眼力を信頼してのことだった。津田との結婚は岡本に良く思われていなかった。それを押し切り理想的な夫婦となっていることに、継子はお延の男を見る目を信頼している。
しかし、お延が岡本たちには自分達が理想的な夫婦であるように言っているだけであった。
そんな思いや、自分が昨日の見合いに連れ出されたのが従姉妹の容姿を引き立たせるためだったのではないかという思いなどから、泣き出してしまう。